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歯ぐきの膿(歯周膿瘍):急性と慢性の違い、治療と救急のサイン

歯ぐきを押すと膿が出たり、歯ぐきの一か所が丸く盛り上がっていたりする場合は、細菌感染で歯の周りの組織に膿がたまった歯周膿瘍の可能性があります。急性の膿瘍は、痛みや歯のぐらつき、まれに発熱やリンパ節の腫れまで起こすことがあります。慢性の膿瘍は症状が弱い代わりに、歯ぐきに小さな穴(瘻孔)をつくって膿が少しずつにじみ出ます。どちらの場合も、原因である歯石と炎症を歯科で取り除く必要があり、顔が腫れたり熱が出たりしたら、急いで受診します。

公開 2026-11-08 · 更新 2026-11-08 · DentalStatics編集部

要点

歯周膿瘍とは口の中の細菌感染によって、歯の周りの組織に限られて生じた膿を伴う炎症で、急性または慢性として現れます (出典: ソウル大学病院 医学情報)
急性膿瘍の症状歯をたたくと痛み、ぐらつき、リンパ節の腫れ・発熱・全身の倦怠感が生じることがあります (出典: ソウル大学病院 医学情報)
慢性膿瘍の特徴歯ぐきの粘膜を突き破る瘻孔ができることがあり、鈍い痛みがあって、急性に変わることもあります (出典: ソウル大学病院 医学情報)
基本治療プラーク・歯石と局所の原因の除去、スケーリング後のルートプレーニング、膿が活発なら抗菌薬 (出典: ソウル大学病院 医学情報)
痛みの少ない歯ぐきの病気との違い歯周疾患はたいてい痛みが少ないのですが、膿瘍に進むと痛みが出ます (出典: 疾病管理庁 国家健康情報ポータル)

歯ぐきから膿が出るのはどんな状態ですか?

歯周病が進むと、歯と歯ぐきの間に深いポケット(歯周ポケット)ができ、その中に細菌と歯石が居ついてしまいます。ポケットの入り口が炎症で狭まり、膿が抜けられずにたまると、歯ぐきの一か所が丸くふくらみます。これが歯周膿瘍です。

ソウル大学病院の医学情報は、歯周膿瘍を、口の中の細菌感染によって歯の周りの組織に限られて生じた膿を伴う炎症と説明しています。すでに慢性歯周炎がある歯ぐきで、体の抵抗力が落ちたときや、深いポケットに歯石が残っているときにできやすく、糖尿病のように歯周病を悪化させる全身疾患とも関連があるとされています。そのため、歯周膿瘍が一度できたら、その歯だけでなく、口全体の歯ぐきの状態をあわせて点検するのがよいでしょう。

急性の膿瘍と慢性の膿瘍はどう違いますか?

急性の膿瘍は、数日のうちに歯ぐきが急に腫れて痛くなるタイプです。根のわきの歯ぐきが楕円形に盛り上がり、指で押すと歯ぐきの縁から膿が出ることが多く、歯をたたくと痛んだり、ぐらついたりすることがあります。炎症が広がると、あごの下のリンパ節が腫れ、熱が出たり、体がだるくなったりすることもあります。

慢性の膿瘍は、症状がはっきりせず、鈍く疼く、何かを噛みたくなる感じ程度で過ぎることが多いものです。その代わり、歯ぐきの粘膜に小さな穴ができて膿が少しずつにじみ出し、口の中に塩辛い味やにおいが出ることがあります。慢性の膿瘍は、体調が悪くなればいつでも急性に変わる可能性があります。

歯ぐきの膿と歯の根の先の膿は何が違いますか?

歯ぐきにできた膿がすべて歯周病のせいとは限りません。むし歯が深くなって歯の神経が死ぬと、根の先に炎症が起こり、膿が歯ぐき側へ出てくることがあり、これを根尖膿瘍といいます。見た目は似ていても原因が違うため、ソウル大学病院の医学情報も、二つの病気を区別する診断が必要だと説明しています。

歯周病から来た膿瘍は歯石除去と歯ぐきの治療が中心で、神経から来た膿瘍は神経の治療が中心です。歯科では、歯周ポケットの深さ、歯の神経の反応、レントゲン写真をあわせて見て、どちらなのか、あるいは両方が重なっているのかを判断します。

歯科では歯ぐきの膿をどう治療しますか?

治療の基本は、膿の原因であるプラークと歯石、炎症を起こす局所の要因を取り除くことです。スケーリングの後に根の表面をなめらかに整えるルートプレーニングを行い、膿が活発に出る場合は、膿を排出する処置とあわせて抗菌薬を使うこともあります。急性の膿瘍は、初期の処置と薬で症状が早く良くなることがあります。

慢性の膿瘍が繰り返す場合は、歯ぐきを開いて炎症組織と歯石をしっかり取り除いてから縫合する歯周外科手術を行うこともあり、局所麻酔で進めます。歯ぐきの骨が大きく溶けて歯を支えにくい場合は、炎症が周囲に広がらないよう抜歯を勧めることもあります。治療が終わった後は、同じ場所に膿瘍が再発しないよう、3~6か月ごとに歯周ポケットの深さを確認するメンテナンスを受けます。

膿が出たとき、家ではどうしますか?

膿を指や針で絞り出すと、細菌が周囲に広がったり、傷が悪化したりすることがあるのでしません。以前処方されて余った抗菌薬を自己判断で飲むことも避け、痛み止めが必要なら、薬剤師や医師に相談して選びます。

腫れている側もやわらかい歯ブラシでそっとみがいて口の中を清潔に保ち、その側で硬いものを噛まないようにします。次の症状があれば翌日まで待たずに受診し、息をしたり飲み込んだりするのが難しければ、救急外来を受診します。

よくある誤解と事実

誤解: 膿を絞り出せば、すっかり治った

膿が出て一時的に楽になっても、原因である歯石や深い歯周ポケットが残っていれば、また膿がたまります。歯科で原因を取り除く必要があります。

誤解: 膿が止まって痛くなければ、治療は要らない

慢性の膿瘍は、ほとんど痛みがないまま瘻孔から膿が少しずつにじみ出て続くことがあり、いつでも急性に変わる可能性があります。

誤解: 抗菌薬さえ飲めば、歯ぐきの膿は解決する

抗菌薬は、膿が活発なときに助ける補助的な治療です。プラークや歯石などの局所の原因を取り除かなければ、また出てきます。

よくある質問

歯ぐきにニキビのような小さなものができたり消えたりします。

膿が出ていく小さな穴(瘻孔)かもしれません。歯周病の慢性膿瘍や、神経が死んだ歯の根の先の炎症でできることがあるため、痛くなくても歯科で原因を確認してもらうのがよいでしょう。

膿が出る歯は抜かなければなりませんか?

多くの場合は、歯石除去、歯ぐきの治療、必要なら神経の治療で、歯を残す方向でまず治療します。歯ぐきの骨が大きく溶けて歯がひどくぐらつく場合は抜歯を検討するため、早く治療するほど選択肢が広がります。

口の中で塩辛い味や生臭い味がします。

歯周ポケットや瘻孔から膿が少しずつにじみ出ているときに、そのような味やにおいがすることがあります。片側だけで感じるなら、その周りの歯ぐきを押して痛みや腫れがないか確かめ、受診します。

糖尿病があり、歯ぐきの膿がよくできます。

糖尿病と歯周病は互いに影響し合い、血糖がうまくコントロールされていないと、歯ぐきの炎症と膿瘍が繰り返しやすくなります。血糖管理とあわせて、3~6か月ごとに歯ぐきのメンテナンスを受けるのがよいでしょう。

週末で歯科に行けません。どうすればよいですか?

やわらかい歯ブラシで口の中を清潔にし、絞り出さずに待ちますが、顔まで腫れる、熱が出る、口がうまく開かないといった場合は、開いている歯科か救急外来を受診します。症状が落ち着いても、平日に必ず歯科を受診してください。

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参考資料

  1. ソウル大学病院 医学情報:歯周膿瘍
  2. 疾病管理庁 国家健康情報ポータル:歯ぐきの病気(歯周疾患)
  3. 疾病管理庁 国家健康情報ポータル:全身疾患と歯周治療
  4. 疾病管理庁 国家健康情報ポータル:歯痛および慢性疼痛

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