歯頸部摩耗:歯と歯ぐきの境目がえぐれる理由とレジン治療
歯頸部摩耗とは、歯と歯ぐきが接する首の部分がすり減ってえぐれ、溝ができる状態で、疾病管理庁は過度な歯みがき、噛むときの過剰な圧力、異常な習慣を原因に挙げています。えぐれた箇所は冷たい刺激でしみる症状を引き起こし、深くなると神経が露出したり、噛んでいる最中に歯が折れたりするおそれがあるため、早めの治療が望ましいです。治療はたいていえぐれた部分を複合レジンで埋める方法で、原因となった習慣も合わせて改めてこそ長持ちします。韓国の状況を前提とした内容です。
要点
| 主な原因 | 過度な歯みがき、噛むときの過度な圧力、異常な習慣 (出典: 疾病管理庁 国家健康情報ポータル) |
|---|---|
| 年齢との関係 | 歯の首の摩耗は年齢が上がるほど多く生じます (出典: 疾病管理庁 国家健康情報ポータル) |
| 放置した場合の危険 | 摩耗が深くなると神経が露出したり、噛むときに歯が折れたりすることがあるため、早期治療が必要です (出典: 疾病管理庁 国家健康情報ポータル) |
| 知覚過敏の痛みが最も強い部位 | 90%以上が歯と歯ぐきの境目である歯頸部に現れます (出典: 疾病管理庁 国家健康情報ポータル) |
| 複合レジンの寿命の報告 | 文献上は3.3~16年とさまざまに報告されています (出典: 疾病管理庁 国家健康情報ポータル) |
歯頸部摩耗とはどのような状態ですか?
歯頸部は歯の頭と根がつながる首の部分で、エナメル質が最も薄く終わる場所です。この部分がすり減って、爪でひっかくと引っかかる溝ができたり、横から見るとくさび形にえぐれた箇所が見えたりする状態を、一般に歯頸部摩耗といいます。
溝ができた箇所は象牙質がそのまま露出しているため、冷たい水、冷気、歯みがきでしみる症状が出やすくなります。疾病管理庁は、知覚過敏で最も痛む部位の90%以上がまさにこの歯頸部だと説明しています。ただし、摩耗がゆっくり進むと歯が内側に象牙質を積み増し、しみなく溝だけが深くなる場合もあるため、しみないからといって安心はできません。
なぜ歯の首がえぐれるのですか?
歯の首を削る力は大きく3つに分かれます。歯ブラシと歯みがき剤が同じ場所を繰り返しこする物理的な摩耗、噛んだり食いしばったりするときに歯がわずかにたわんで首の部分に集中する力、酸性の飲食物や胃酸がエナメル質を溶かす侵食です。
歯頸部摩耗では、実際にこの3つが1本の歯に重なって作用していることが多くあります。疾病管理庁は、過度な歯みがきと噛むときの過剰な圧力、異常な習慣を原因に挙げ、こうした摩耗は年齢とともに増えると説明しています。
- 横に力を込めてこする歯みがき、硬い毛の歯ブラシ
- 食いしばり、歯ぎしり、片側だけで噛む習慣
- 炭酸飲料や酸っぱい食べ物を頻繁にとる習慣、胃酸の逆流
- 歯ぐきの退縮でやわらかい根の面が露出した状態
歯頸部摩耗をそのままにするとどうなりますか?
疾病管理庁は、摩耗した部分が深くなると神経が露出したり、噛むときに歯が折れたりするおそれがあるため、早期治療が必須だと説明しています。溝が深くなるほど歯の首が細くなり、硬いものを噛んだ瞬間にその箇所で歯が折れるように破折することがあるためです。
神経の近くまでえぐれると、しみる症状が自然に痛む痛みに変わり、神経の治療が必要になることがあります。溝が浅いうちに埋めれば、治療の範囲が小さく、しみも早く和らぎます。
歯頸部摩耗はどのように治療しますか?
えぐれた箇所を歯の色の複合レジンで埋めるのが一般的な治療です。溝が浅くしみるだけの場合は、フッ素やシュウ酸塩製剤の塗布、接着剤のコーティングで先に症状を抑えることもあります。疾病管理庁は、えぐれた部位を複合レジンで埋めると効果が比較的長持ちすると説明しています。
レジン充填の後も、露出した部分が完全に覆われていない、または接着が不完全だと、しみが残ることがあります。たいていは時間とともに和らぎますが、続いたり強くなったりする場合は再治療します。複合レジンの寿命は文献上3.3~16年とさまざまに報告されており、原因となった習慣が続くと、埋めたレジンが取れたり縁が再びすり減ったりすることがあります。
治療費用と健康保険が適用されるかどうかは、材料や埋める歯の本数・範囲によって異なるため、治療前に歯科で項目ごとに確認します。
歯頸部摩耗の進行を遅らせるには何を変えればよいですか?
歯ブラシは毛のやわらかいものに替え、歯と歯ぐきの境目を短く払うように磨きます。歯みがき剤は歯ブラシの毛の長さの1/2~1/3だけ出し、しみる箇所を歯みがき剤でこすって磨く習慣はやめます。
日中に食いしばっていないかを自分で点検し、夜に歯ぎしりをしていると言われたことがあれば、歯科に相談して対策を探します。酸性の飲み物は、少しずつ長く飲むより、一度に飲んで水ですすぐほうが歯への負担が少なくなります。
すでにレジンで埋めた歯も、同じ習慣が続けばレジンの縁とその隣の歯の首が再びすり減ります。治療が終わった後も、定期検診のときに埋めた箇所の縁が浮いていないか、新しい溝ができていないかを合わせて確認してもらえば、小さな損傷のうちに手当てできます。
よくある誤解と事実
誤解: えぐれた箇所を一度レジンで埋めれば一生もつ
複合レジンの寿命は3.3~16年とさまざまに報告されています。歯みがきや食いしばりなどの原因が続けば、もっと早く取れることがあります。
誤解: しみなければ歯頸部摩耗は治療しなくてよい
しみがなくても溝が深くなれば、神経の露出や歯の破折の危険が高まります。定期検診で深さを確認してもらうのが望ましいです。
誤解: 歯石をつけないためには、硬い歯ブラシで強く磨くべきだ
強くこする歯みがきは歯頸部摩耗の代表的な原因です。歯石はスケーリングで管理し、歯みがきはやさしく行います。
よくある質問
歯頸部摩耗かどうかはどうすればわかりますか?
鏡で歯ぐきのすぐ上の歯の首を見たときに溝が見える、あるいは爪でひっかくと引っかかる場合は、摩耗が疑われます。正確な深さと原因は歯科の診察で確認し、むし歯や歯ぐきの退縮を伴っていないかも調べます。
埋めたレジンが取れましたが、やり直す必要がありますか?
取れた箇所は再びしみて溝がさらに深くなるおそれがあるため、再び埋めるのが一般的です。同じ箇所が繰り返し取れる場合は、食いしばりや歯みがきの仕方などの原因も合わせて点検します。
レジンで埋めた箇所は色が変わりますか?
疾病管理庁は、ワイン、緑茶、紅茶、カレー、タバコ、コーヒーの色素がレジンに着色することがあるため、治療後はこうした飲食物を減らすのがよいと案内しています。時間がたってレジンの色の差が大きくなったら、表面を磨いたり、埋め直したりすることもあります。
複数の歯に溝がある場合、一度にすべて埋める必要がありますか?
しみる歯や深い歯から先に治療し、浅い溝は経過を見ながら管理することもあります。治療の順序と範囲は、溝の深さ、しみの程度、費用を合わせて考慮し、歯科と相談して決めます。
歯頸部摩耗があっても、知覚過敏用歯みがき剤だけ使えばよいですか?
浅い溝による軽いしみなら、知覚過敏用歯みがき剤が役立つことがあります。溝が深い、またはだんだん大きくなる場合は、歯みがき剤では防げないため、埋める治療を検討します。知覚過敏用歯みがき剤を使っても、こすりつけるように強く磨くと溝がさらに深くなるおそれがあるため、磨く力は引き続き軽く保ちます。