親知らず抜歯ガイド:抜くべきケースから回復、韓国の健康保険まで
親知らず(第三大臼歯)は最も遅く生える奥歯で、通常は10代後半から20代前半に生えてきます。まっすぐ生えて噛むのに使えているなら必ず抜く必要はありませんが、横に倒れていたり歯ぐきに一部覆われて炎症を繰り返したりする場合は抜歯を検討し、時期は20歳前後が最も楽です。韓国では親知らずの抜歯は健康保険の診療で、埋伏の程度によって報酬が分かれ、回復は腫れが最も強い抜歯後48時間を過ぎると少しずつ楽になります。
要点
| 生える時期 | 通常10代後半から20代前半 (出典: 疾病管理庁(질병관리청)国家健康情報ポータル) |
|---|---|
| 抜歯に適した時期 | 約20歳前後 (出典: 疾病管理庁 国家健康情報ポータル) |
| 親知らずがない人 | 文明化した民族の大半で30%程度 (出典: 疾病管理庁 国家健康情報ポータル) |
| 抜歯後に痛みが最も強い時期 | 抜歯の3〜5時間後、大半は手術当日 (出典: 疾病管理庁 国家健康情報ポータル) |
| 抜歯後に腫れが最も強い時期 | 抜歯後48時間(2日) (出典: 疾病管理庁 国家健康情報ポータル) |
| 抜歯後の感覚異常の発生 | 約0.6〜5% (出典: 疾病管理庁 国家健康情報ポータル) |
| 健康保険の抜歯項目 | 臼歯、複雑埋伏歯、完全埋伏歯など歯の状態別に区分 (出典: 健康保険審査評価院(건강보험심사평가원, HIRA)) |
| 歯科医院の外来自己負担率 | 療養給付費用総額の30% (出典: 国民健康保険公団(국민건강보험공단, NHIS)) |
親知らずは必ず抜かなければなりませんか?
いいえ。疾病管理庁は、親知らずが奥歯のようにまっすぐ生えて噛む機能を果たせるなら、必ず抜く必要はないと説明しています。ただし口の一番奥にあって歯ブラシが届きにくく食べ物が挟まりやすいため、虫歯や口臭を防ぐ目的で予防的に抜くことが多いです。
逆に、骨の中にとても深く埋まっていて抜く際の神経損傷リスクが高い場合は、そのまま経過を見ることもあります。抜歯するかどうかは、X線写真を見た歯科医師と相談して決めます。疾病管理庁が抜歯を勧める代表的なケースは次のとおりです。
- 横向きに生えて手前の奥歯に虫歯や損傷を与えているとき
- 歯ぐきに一部だけ覆われて歯と歯ぐきの間の炎症を繰り返すとき
- 周囲の炎症が強く、顔や首が腫れたことがあるとき
- 埋伏した親知らずの周りに嚢胞(含歯性嚢胞)ができたとき
- 矯正治療の安定性や手前の奥歯の治療のために必要なとき
親知らずはいつ抜くのがよいですか?
疾病管理庁は、親知らずが口の中に出てくる約20歳前後に抜くのが最もよいと説明しています。この時期は抜歯が比較的容易で傷も治りやすいです。埋伏した親知らずは、年齢とともに周囲の骨が硬くなり全身疾患の可能性も高まるため、抜歯が難しくなります。
すでに強く痛む場合は周囲に炎症が起きている可能性が高く、先に炎症を抑えてから抜きます。膿がたまっていれば、先に切開して膿を出す処置を行います。妊娠を計画している場合や、長期間歯科に通いにくい予定がある場合は、あらかじめ親知らずの状態を確認しておくとよいです。
抜歯の前にはどんな検査をしますか?
歯科では、視診・問診・触診で親知らず周囲の歯ぐきの状態や全身疾患の有無を確認します。続いてパノラマ写真と根尖X線写真で、親知らずの位置、根の形、下顎の神経管(下顎管)との距離を調べます。
親知らずの根が下顎管にとても近い場合や大きく湾曲している場合は、歯科用CTを追加で撮ることもあります。下顎の親知らずが神経管に接していると、抜歯後に下唇やあごの感覚が一時的に鈍くなることがあるため、CTを撮るかどうか歯科で相談するとよいです。
親知らずの抜歯はどのように行われますか?
まっすぐ生えた親知らずは、通常の奥歯と同じように局所麻酔をして抜きます。歯ぐきや骨に埋まった下顎の埋伏親知らずは、大半が歯ぐきの切開、顎骨の一部削除、歯冠の分割、歯の除去、縫合の順に進めます。
前方へ傾いた近心傾斜の埋伏が最も多く、次に水平位、垂直位の順です。傾きだけでなく、根の数や湾曲、骨との癒着、神経管との距離によって難易度と時間が変わります。
上顎の親知らずは、根が上顎洞に近いと抜歯後に上顎洞へ通じる穴ができることがあります。疾病管理庁は、小さな穴は多くの場合自然に治るが、大きな穴は塞ぐ処置と抗菌薬が必要で、約3〜4週間はくしゃみや鼻をかむことを避けるべきだと説明しています。
抜歯後の回復はどうすればよいですか?
痛みは通常、抜歯の3〜5時間後に最も強く、1〜2日たつと徐々に和らぎます。腫れは48時間ごろに最も強くなり、その後引いていきます。疾病管理庁が案内する抜歯後の注意事項は次のとおりです。
歯磨きは抜歯後1〜2日は手術部位を避けて行い、その後は抜歯部位の周りもやさしく磨きます。薬を飲んでも痛みが強い場合は、予約日前でも歯科を再受診するのがよいです。抜いた部位が3〜5日ごろに再び強く痛み、においがする場合は、ドライソケット(乾燥性歯槽骨炎)の可能性があります。
- ガーゼをしっかり噛んで止血し、口の中の血や唾液は吐き出さず飲み込む
- ストローは3日間使わず、抜いた部位を舌や指で触らない
- 1〜2日は頬を冷やし、枕を少し高くして寝る
- 1週間ほどは抜いた側で噛まず、やわらかい食べ物をとる
- 1〜2日はサウナ・熱い風呂・激しい運動を避け、喫煙・飲酒を控える
- 処方された薬(通常3〜5日分)を用法どおりに飲む
親知らずの抜歯にも健康保険は使えますか?
韓国では親知らずの抜歯は健康保険が適用される診療です。健康保険の抜歯項目は歯の状態によって分かれ、健康保険審査評価院の審査事例には、通常の奥歯(臼歯)の抜歯、歯を分割して抜いた複雑埋伏歯、歯冠の3分の2以上が骨に埋まり骨削除と歯の分割を併せて行った完全埋伏歯の項目が登場します。埋伏が深いほど報酬は高くなります。
患者の負担は外来自己負担率に従い、歯科医院30%、歯科病院(洞地域)40%、総合病院(洞地域)50%と、機関によって異なります。歯科用CTや処方薬は診療内容に応じて別に計算されるため、抜歯前に予想費用を尋ねておくとよいです。妊婦には外来自己負担率が歯科医院10%、歯科病院20%とより低く適用されます。
親知らずを抜く歯科はどう選べばよいですか?
深く埋まった下顎の親知らずのように神経管に近い場合や、全身疾患があってリスクが高い場合は、歯科病院や総合病院の口腔顎顔面外科へ紹介されることもあります。自己負担率は機関の種別で変わるため、紹介の有無と費用を合わせて検討してください。
DentalStatics(歯科統計)の地域別歯科一覧で公共データとして公開されている情報を比べたうえで、相談の際に埋伏の程度、CTの要否、抜歯当日とその後の通院日程を尋ねると、歯科同士を比較しやすくなります。
詳しいガイド
よくある質問
親知らずが痛いとき、すぐに抜けますか?
炎症が強いときに抜くと治りにくく、炎症が周囲に広がるおそれがあるため、疾病管理庁は先に炎症を抑えてから抜歯すると説明しています。鎮痛消炎剤を自己判断で飲んで我慢するより、歯科で診察を受けるほうが安全です。自己服用で一時的に楽になっても、炎症が悪化して緊急の事態になることもあります。
上の親知らずと下の親知らずでは、どちらが難しいですか?
下顎の親知らずは埋伏が多く、根が下顎管に近いことが多いため、神経損傷のリスクを考える必要があります。上顎の親知らずは上顎洞に近く、抜歯後に上顎洞に穴があく合併症が起こりえます。どちらの場合も、実際の難易度はX線写真で見た傾きと根の形で判断します。
親知らずをそのままにしておくと、どんな問題が起きますか?
前に傾いた親知らずは手前の奥歯の後ろに食べ物が挟まって虫歯を作り、ひどい場合は手前の奥歯まで神経治療や抜歯が必要になることがあります。埋伏した親知らずの周りに嚢胞ができると、顎骨が弱くなることもあります。疾病管理庁は、嚢胞が大きくなると小さな衝撃でも顎骨が折れうるため、速やかな治療が必要だと説明しています。
抜歯後、どんなときにすぐ歯科へ戻るべきですか?
顔が大きく腫れて口が開きにくい、飲み込みにくい、喉の奥の痛みとともに悪寒や発熱がある場合は、すぐに歯科を受診してください。抜歯から3日たっても痛みと腫れがむしろ増える場合は、感染を疑います。
妊娠を計画している場合、親知らずを先に抜いたほうがよいですか?
疾病管理庁は、妊娠を計画している場合は歯科で親知らずの状態を確認し相談することが望ましいと案内しています。妊娠中は産婦人科医と相談したうえで親知らずの治療を行います。炎症を繰り返している親知らずがあれば、妊娠前に整理しておくと妊娠中の治療負担を減らせます。
抜歯後、お酒とたばこはいつからいいですか?
疾病管理庁の抜歯案内では、飲酒と喫煙は初期の回復を遅らせ感染などの合併症を招くおそれがあるため、抜歯後約7〜10日は避けるよう勧めています。たばこを吸い込む動作も止血を妨げることがあるので、再診で傷の状態を確認してもらってから改めて考えるのが安全です。