顎関節の診療時期ガイド:すぐ受診すべき症状と様子を見てよい症状
顎関節の診療が必要かどうかは、音、痛み、開口制限がどう重なっているかで判断します。音だけで不快感がなければ生活管理で様子を見ることもありますが、あごが引っかかって口が開かない、または閉じないとき、痛みのために噛むことや話すことがつらいときは、歯科での診療を受ける必要があります。保健福祉部の資料で、国民健康保険日山病院の歯科教授は、成長期に顎関節の問題を放置すると顔の非対称や噛み合わせの異常が生じることがあると説明しており、青少年はより細やかな観察が必要です。
要点
| 診療を検討する症状 | 痛み(あご・耳の前・咀嚼筋)、あごの運動制限、関節雑音のうち1つ以上 (出典: 疾病管理庁) |
|---|---|
| 成長期の注意 | 放置すると顔の非対称・噛み合わせの異常が生じる可能性、痛みを感じにくく見過ごしやすい (出典: 保健福祉部(国民健康保険日山病院の説明)) |
| ほかの原因との区別 | 神経・血管・感染・腫瘍が原因の痛みは、一次性の顎関節症とは見ない (出典: 疾病管理庁) |
| 手術などの決定 | 保存的治療で不十分なら、顎関節疾患を専門とする口腔顎顔面外科の専門医に相談 (出典: 国民健康保険公団) |
| 心理カウンセリング | 不安・抑うつが治療を妨げるなら、カウンセリングの併用を検討 (出典: 国民健康保険公団) |
顎関節の症状のうち、すぐ診療が必要なのはどんな場合ですか?
あごの動きが急に止まったり、痛みのために日常の機能が損なわれたりする場合は、先延ばしにしないほうがよいでしょう。とくに口が開いたまま閉じない場合は、関節が外れている可能性があり、救急の診療が必要なことがあります。
- 口が引っかかって開かない、または開いたまま閉じない
- 音が出ていたのに突然止まって、口の開きが大きく減る
- 痛みのために、食べ物を噛むことや話すことが難しい
- 転んだりぶつけたりしたあとに、あごの痛みと噛み合わせの変化が出る
- あごのあたりが腫れて熱が出る、または顔の感覚が鈍くなる
数日様子を見てもよい顎関節の症状は?
痛みなく、たまにカクッという音だけが出る、または固い食べ物を食べた翌日に少しこわばる程度なら、ガムや固い食べ物を減らし、あごを休ませながら経過を見ることができます。疾病管理庁は、顎関節症の症状が自然によくなったり、上下したりすることもあると説明しています。
ただし、様子を見ている間に症状がだんだん頻繁になる、休んでも痛みが減らない、口の開きが減るといった変化が出たら、そのときは診療に移る必要があります。症状日誌をつけておくと、診療が必要な時点を判断しやすくなります。様子を見る期間も、食いしばりや頬杖といった習慣は、すぐに減らし始めてください。
青少年の子どものあごの音はどう見ればよいですか?
保健福祉部が公開した2015年の健康保険の分析では、人口10万人あたりの顎関節症の診療人数は20代の次に10代が多くなっていました。同じ資料で日山病院の歯科教授は、成長期は痛みを強く感じないため見過ごしやすく、保護者の細やかな観察と積極的な治療が必要だと説明しました。
子どもがあくびをするときにあごを押さえたり、片側だけで噛んだり、口を開けるときにあごが片側に曲がったりする様子が見られたら、歯科検診のときに顎関節もあわせて見てほしいと頼んでください。矯正治療を控えているなら、始める前に顎関節の状態を確認してもらうのがよいでしょう。
顎関節はどの診療科で診てもらいますか?
顎関節症は歯科で診療します。歯科の専門科目のうち、口腔内科が顎関節の痛みと機能の問題を、口腔顎顔面外科が関節洗浄や手術といった外科的治療を主に担当し、一般の歯科で先に診察を受けてから紹介されることもあります。
疾病管理庁は、神経、血管、感染、腫瘍のように、筋骨格系ではない原因の痛みは、一次性の顎関節症とは見ないと説明しています。突然の激しい頭痛や、耳から膿が出る場合など、ほかの病気が疑われるときは、該当する内科的な診療もあわせて受けてください。
顎関節の診療の前に準備するとよいことは?
顎関節症の診断は、問診、身体検査、必要な画像検査、生活環境と心理状態の評価を総合して行われるため、症状と生活習慣を整理して持っていくと、短い診療時間でも多くの情報を伝えられます。
- 症状が始まった時期ときっかけ(外傷、歯科治療、ストレスのかかる出来事など)
- 痛みの部位と強さ、音が出る側、口が開く程度
- 歯ぎしり・食いしばりの習慣と、家族から聞いた睡眠中の音
- 服用中の薬、過去のあごの治療や矯正治療の履歴
- 以前に撮った歯科のX線写真や画像の記録
よくある誤解と事実
誤解: あごが痛くても、時間がたてばすべて治る。
症状が自然によくなることもありますが、痛みが続いたり、口の開きが減ったりしたら、寄与因子を見つけて治療する必要があります。成長期の放置が顔の非対称につながることがあるという説明もあります。
誤解: 顎関節は整形外科でしか診てもらえない。
顎関節症は歯科で診断と治療を行います。歯科の専門科目のうち、口腔内科と口腔顎顔面外科が主に担当します。
よくある質問
口が開いたまま閉じなくなったらどうしますか?
あごが外れた可能性があるため、無理に閉じようとせず、すぐに歯科か救急室で診療を受けてください。あごが外れることが繰り返されるなら、原因を調べるために、その後も歯科の診療を必ず続ける必要があります。
あごが痛いのですが、歯科と耳鼻咽喉科のどちらに行けばよいですか?
噛むときや口を開けるときに耳の前が痛むなら、歯科でまず顎関節を確認するのが一般的です。耳が詰まった感じがしたり、膿やめまいが一緒にあったりするなら、耳鼻咽喉科の診療も受けてください。
顎関節の診療の初日には何をしますか?
症状と生活習慣を尋ねる問診、口の開きと関節・筋肉の圧痛を見る身体検査を行い、必要なら画像検査を行います。初日から装置をつくるより、評価の結果にもとづいて治療計画を立てます。
顎関節の手術はいつ行いますか?
薬物、運動、物理療法、咬合装置のような可逆的治療で十分でないときに検討します。国民健康保険公団は、こうした決定を、顎関節疾患を専門とする口腔顎顔面外科の専門医と相談するよう案内しています。
ストレスが強いときだけ、あごが痛みます。
ストレスは、筋肉の緊張を高めて痛みを悪化させる要因に挙げられています。ストレスを受けるたびにあごの痛みが繰り返されるなら、歯科の診療とあわせて、ストレス管理やカウンセリングを検討してみてください。