顎関節の物理療法ガイド:冷却・温熱・電気・レーザー療法と運動療法
顎関節の物理療法は、顎関節と頸椎の動きを取り戻し、姿勢を整え、咀嚼筋を伸ばして力を調整することを目標とします。疾病管理庁(KDCA)は、物理療法を咬合装置とともに顎関節症の治療で最も多く使われる方法と説明し、運動療法を一緒に行うと効果が大きくなると強調しています。冷却、温熱、電気刺激、レーザー、バイオフィードバックの中から症状に合った方法を選び、何回かに分けて受けるのが一般的です。
要点
| 使用頻度 | 咬合装置とともに、顎関節症の治療で最も多く使われる (出典: 疾病管理庁) |
|---|---|
| 治療目標 | 顎関節・頸椎の可動性の回復、姿勢の矯正、あごの筋肉の伸張と筋力の調整 (出典: 疾病管理庁) |
| 主な種類 | 冷却、温熱(表面熱・深部熱)、電気刺激(経皮的神経刺激など)、レーザー、バイオフィードバック (出典: 疾病管理庁) |
| 一緒に行う運動療法 | 6つの基本運動、各6回で1セット、1日6セット、1つの動作は1分以内 (出典: 疾病管理庁) |
| 手による治療 | 場合によって、関節と筋肉を手でほぐす治療を併用 (出典: 国民健康保険公団) |
顎関節の物理療法は何を目標にしますか?
顎関節症で痛む筋肉は固く短くなりやすく、痛みのために口をあまり動かさないと、関節の動きがさらに減るという悪循環が生じることがあります。物理療法は、この輪を断ち切るために、痛みを下げ、筋肉と関節が再び自然に動くよう助けます。
疾病管理庁が示す目標は、顎関節と頸椎の可動性の回復、姿勢の矯正、あごの筋肉の伸張と筋力の調整です。あごと首は一緒に動くため、首や肩の姿勢まで治療の範囲に含まれることが多くなります。
顎関節の物理療法にはどんな種類がありますか?
どの方法を使うかは、痛みが急に生じたのか長く続いているのか、筋肉の問題か関節の問題かによって変わります。同じ日に2〜3種類を一緒に行うこともあります。痛みが始まったばかりの時期と長く続く時期で使う方法が変わることがあり、経過を見ながら治療の組み合わせを変えることもあります。
- 冷却療法:腫れや急性の痛みを鎮めるとき
- 温熱療法:表面熱や深部熱で固まった筋肉をほぐし、血流を増やすとき
- 電気療法:経皮的神経刺激、イオン導入などで痛みの信号を減らすとき
- レーザー療法:痛む関節や筋肉の部位にレーザーを当てる方法
- バイオフィードバック:筋肉の緊張を画面や音で見ながら、自分で力を抜く方法を身につけるとき
- 徒手療法:関節と筋肉を手でほぐす方法
物理療法と運動療法をなぜ一緒に行うのですか?
疾病管理庁は、物理療法だけを受けるより、運動療法を一緒に行うほうが効果が大きくなると説明しています。治療室で筋肉をほぐしても、家で同じ習慣や姿勢を繰り返すと、再び緊張しやすいからです。
疾病管理庁が紹介する基本運動は、舌の安静位置、顎関節の回転運動、首を伸ばす運動、首の関節の安静位置、首の運動、肩の姿勢の6つです。各運動を6回で1セットとして1日6セット行い、1つの動作は1分を超えないようにして、処方された方法に合わせて行います。
顎関節の物理療法はどのくらい通う必要がありますか?
物理療法は、1回で終わるというより、一定の期間、繰り返し受けながら症状の変化を確認する方式で進みます。必要な回数は、痛みの程度、期間、習慣の矯正の度合いによって人ごとに大きく異なり、最初から決まった回数があるわけではありません。
何回か受けたあとに、開口の範囲と痛みの点数を測り直すと、効果を客観的に判断しやすくなります。変化がない、またはかえって悪くなれば、治療方法を変えたり、咬合装置や薬物療法をあわせて検討したりします。治療を受けた日と受けていない日の痛みの違いを書いておくと、どの治療が役立っているかを医療スタッフと判断しやすくなります。
顎関節の物理療法の費用はどうなりますか?
物理療法の項目ごとに健康保険が適用されるかどうかが異なることがあり、受けた治療が保険適用か適用外かは、診療費の領収書の保険適用と適用外の欄で確認できます。歯科医院の外来で、保険適用の物理療法項目の自己負担は、65歳未満の基準で療養給付費用総額の30%です。
顎関節の物理療法は何度も通う必要があるため、最初の診療のときに予想される通院回数と1回あたりの自己負担を尋ねておくと、全体の費用を見積もりやすくなります。民間の実損保険がある場合は、物理療法の保障条件が約款ごとに異なるので、事前に確認してください。
よくある誤解と事実
誤解: 物理療法さえ通い続ければ、家では何もしなくてよい。
疾病管理庁は、物理療法と運動療法を一緒に行うと効果が大きくなると説明しています。家での運動と習慣の矯正を一緒に進める必要があります。
誤解: あごが痛いときは、必ず温湿布がよい。
物理療法には冷却と温熱の両方が使われ、症状の段階によって選びます。家で湿布をするときも、どの方法が合うかを歯科で案内してもらうのがよいでしょう。
よくある質問
顎関節の物理療法は痛いですか?
たいていは、温かい、または冷たい感じや、弱い電気刺激程度で進みます。刺激が不快なら、すぐに伝えて強さを調整してもらってください。治療の直後に筋肉が少しこわばることがありますが、痛みが長く続く場合は、次の診療のときに伝える必要があります。
物理療法は歯科で受けますか、整形外科で受けますか?
顎関節症は、歯科で診断と治療を一緒に行うことが多く、物理療法の機器を備えた歯科で受けられます。首や肩の問題が大きい場合は、内科的な診療もあわせて受けることがあります。
家であごの運動をして痛くなったらどうしますか?
運動中に痛みが強くなったら止めて、次の診療のときに伝えてください。疾病管理庁は、1つの動作を1分以上続けないよう案内しているので、無理に長く行わないことが大切です。
電気刺激療法を受けてはいけない人もいますか?
電気刺激療法を受ける前に、心臓ペースメーカーなどの電子医療機器を身につけている場合や、妊娠中の場合は、事前に伝える必要があります。医療スタッフが別の方法に変えるかを判断します。
バイオフィードバックとはどんな治療ですか?
筋肉がどれだけ緊張しているかを画面や音で示して、自分で力を抜く方法を身につけさせる方法です。日中に歯を強く噛みしめる習慣に気づくのに役立ちます。